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ITストラテジスト試験を独学で攻略するために読んでおくべき本9選

ITストラテジスト

本記事では、国家資格ITストラテジストの試験対策の一環として、個人的に役立った書籍を紹介します。

簡単に概要について触れておきます。

そもそもITストラテジストとは、

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/st.html

とされています。

国家試験で認定される中では最も難易度の高い「高度情報処理技術者」に区分されています。

試験は「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」「午後Ⅰ」「午後Ⅱ」の4つの関門があり、それぞれで扱う知識こそ大きくは変わりませんが、異なる性質の出題形式を1日でやり切るため、なかなかハードな試験となります。

中でも鬼門は「午後Ⅱ」と言われており、150分で最低2500字程度を論述する形式で、与えられたお題に対して実現場の事例を持ち出す形で論理を展開していく必要があります。

そのため、あらかじめ自信を持って書けるネタを複数準備しておき、それらを出題されたテーマに対して柔軟に適用する練習を積んでおくことが有効となります。

本記事では、ITストラテジスト試験の対策向けに、

①基礎知識
②論述ネタ
③論述の書き方

の3つのテーマについて書籍を紹介していきます。何かの参考になれば幸いです。

目次

①基礎知識

1. ALL IN ONE パーフェクトマスター ITストラテジスト

資格試験系の予備校最大手TACから出版されている参考書です。

TACは法律・会計・公務員等の試験対策を中心に、40年近くの実績による安心と信頼があります。

ITストラテジスト試験固有の対策が必要となってくる午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱのそれぞれについて手厚い解説がなされている点が類似書籍には少ない特長です。

午前Ⅱパートでは必須の関連知識がコンパクトにまとめられており、必要な知識を最速でINPUT可能です。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 午前Ⅱの頻出キーワードを記述対策に活用するには
  • 午後Ⅰで時間内に正解を導き出す「三段跳び法」とは
  • 午後Ⅱで合格レベルの論文を書くためのテクニックとは

2. この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本

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午後2試験の問1にあがりやすいテーマの一つとして、経営層と経営戦略レベルでやり取りするシチュエーションが想定されます。

午前2の対策上でも経営論の用語は出てきますが、論述を行う上ではもう一歩深い理解を持っておく必要があります。

例えば「SWOT分析」が「強み、弱み、機会、脅威」の頭文字であることを知っていれば、午前問題としては対策できてしまう可能性が高いと思われます。

しかし、具体的な使いどころや応用方法などがイメージできていないと、論述を書くときに使える知識になりません。

本書は、経営戦略の基本用語を使い方をイメージしやすい形でまとめてあるので、ざっと知識を押さえるのに有用です。

内容はあくまでざっとなので、しっかり深いところまで学びたい人にとっては少々物足りないかもしれません。

ただし、ITストラテジストと言えども職務上は情報処理技術者であり、経営戦略の専門家である必要はないため、試験対策上は必要十分な内容かと思われます。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 企業における全社戦略と事業戦略の組み合わせ方
  • ”意味のある”SWOT分析から戦略案を策定する手順
  • 企業のフェーズに合わせて「意図的」「創発的」戦略を使い分けるべき理由

3. PMO導入フレームワーク

午後2試験の問2は、おおよそ全体最適化や個別最適化の道中で発生する課題への対処がテーマになることが想定されます。

問2の問題において特に陥りやすい失敗の一つとして、書いていくうちにITストラテジストというよりもPMとしての立場で論述してしまうことが挙げられるかと思います。

本書は、PMを客観的に補佐する「PMO」としての基本知識がまとまっており、どういった視点で論述すればよいのかイメージするのに大変参考になります。

PMBOKの体系別に、やや具体的な事例が20個ほど紹介されており、これらをフレーズに落とし込んでうまく整理しておくことで、論述に活用できるようになるかと思います。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • PMOの役割と機能はどのような型に分類できるか
  • PMOに適した人材と求められるスキルとは
  • PMOの成熟度の定義と、向上のためのロードマップとは

②論述ネタ

1. 失敗しないDX企画48のネタ!

ITストラテジストの論述を準備するにあたり、大概の方にとって最初に困る内容は「書ける事例が無い」ことかと思います。

特に非IT業界の方や社会人年数が少ない方などは、実経験に基づいて論述しようとすると、ネタに窮してしまうことが想像されます。

では経験が無いから論述は書けないのかというと、そんなことはありません。

というのも、試験で問われていることは、あくまで指定されたお題の範疇で、ITストラテジストとして(あくまで教科書的に)あるべき振る舞いを示せますか?ということのはずなんですね。

ということは、現実世界で起こり得ないような話でない限りは、それが実体験なのかどうかは採点基準には関わらないものと考えられます。

すなわち、実際の企業の事例を元に、少しアレンジして自分の経験として語ってしまってOKです。

前置きが長くなりましたが、本書はそうした事例をストックするのに有用です。

本書は、DX企画48のネタというタイトルの通り、企業のデジタル導入の事例がたくさん並んでいます。

これらの中から自分がイメージしやすい事例を参考にさせてもらいつつ、お題に沿ったストーリーを組み立てる練習をしていくと良いと思います。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 進化論的な背景から、企業にとってDXが不可避である理由
  • DX企画を立案する上で分類できる9つのタイプとは
  • 「攻めのDX」「儲け方を変えるDX」「守りのDX」それぞれにおけるDX事例とは

2. 新QC七つ道具の使い方がよ~くわかる本

ITストラテジストは、IT人材の中でも特に経営戦略レベルの「超上流」の工程に関わることがあるポジションです。

内容も抽象的で、課題解決するだけでなく、現状整理から問題を発見する能力も求められてきます。

新QC七つ道具は、そうした曖昧で不確定な情報を整理するのに役立つ応用性が高い汎用ツールであり、午後Ⅱ論述においてスキルをアピールする上で頼りになります。

本書は、そんな新QC七つ道具の特徴と共に、旧来のQC七つ道具などと組み合わせて効果的に使いこなすためのノウハウがまとめられており、非常に参考になります。

著者の今里健一郎さんは大学講師もされており、一つ一つを理路整然に分かりやすく学ぶことができます。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 新QC七つ道具を活用するポイントとなる「物語」「成長」「組み合わせ」とは
  • SWOT分析から施策を導き出すため「系統図法」の活用方法
  • 制約に結び付く交渉手順を「PDPC法」で策定する方法

3. IT投資の評価手法と効果がしっかりわかる教科書

他の高度情報処理技術者には無くITストラテジスト試験に必要な論点の一つとして、IT導入の投資対効果があります。

情報処理技術者としての勉強だけだとどうしても技術面に偏りがちで、それを評価する観点が薄くなりがちです。

ITストラテジスト試験の設問ウでは投じた施策に対する評価を論じる場面が出てくるため、評価手法としてネタを持っておくと安心できると思います。

著者の國重靖子さんは、200社以上の企業に対してシステム監査やITコンサルティング業務に携わってきたご経験があるそうです。

そのため、各評価手法に対して具体例を交えてイメージしやすい記載内容になっています。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • イニシャルコストや移行コストを見積もる際に留意すべき点とは
  • 情報セキュリティ投資の評価が重要かつ難しい理由
  • 非財務的手法「IT-BSC」の特徴と活用メリット

③論述の書き方

午後2の論述はその場で考えていては到底間に合わないため、事前準備が命運を分けると言っても過言ではありません。

ITストラテジストのの持つスキルとして、ツールの引き出しをできるだけ多く持っておきましょう。

参考までに、論述用のブロックパーツを自分なりにまとめてみたものがあるので、良ければ合わせてご参考いただければと思います。

1. ITストラテジスト 午後2 最速の論文対策

ITストラテジスト午後2試験は事前準備が大事なことはこれまで述べてきましたが、実際の試験時間もシビアであるため、試験時間内のタイムスケジュールを設計しておく必要があります。

本書は、本番の時間の使い方や、予想外の事態に悩んだときにどう対処するかなどの指針がまとめられています。

著者の広田航二さんはITストラテジスト試験以外の高度区分試験にいくつも合格されており、情報処理技術者試験のスペシャリストと言えるでしょう。

本書以外にも多数の著書を書かれており、信頼と実績に申し分のない書籍といえます。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 午後2試験が絶望的に難しく見えてしまう理由
  • 解答時間内に書き切るための「設計書」の作り方
  • 論述ネタとしての「モジュール」の考え方とその収集方法

2. ITストラテジスト 合格論文の書き方・事例集

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ITストラテジスト試験の論述に必要な知識やタイムスケジュールの骨子が固まってきたら、過去問を使って演習を積んでいきましょう。

その際、自分の解答の妥当性を評価するために、模範解答はできるだけ多く欲しくなってくるところです。

そんな場合に有用なのが本書です。

本書は、午後2論述の過去問の模範解答が大量に収録されており、合格ラインの目安を確認することができます。

留意点として、本書の模範解答はややさっぱり簡潔な記載になっている印象があります。

そこで試験対策としては、本書の模範解答を100点として鵜呑みにしてしまうのではなく、もう一段階推敲した内容を想定しておくと良いと思います。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 午後1問題を使って論述を書いてみる練習方法とは
  • 本番に備えて決めておくべき「困ったらすること」とは
  • 学習中、試験中に受験者が陥りがちな問題点と、その解消法

3. やはり僕の論文は間違っていた。

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本書は、論述問題の合格点を目指す上で陥りがちな勘違いや、知っておくと良いコツなどが小説形式で紹介されています。

話の主人公は他の高度情報技術者試験に合格しているレベルにもかかわらず、論文試験には合格できないという設定で、知り合いの合格者からアドバイスを受けていくストーリーとなっています。

著者の左門至峰さんは、高度情報技術者区分を複数獲得されており、著書も多数出版されています。まさに情報処理技術者試験を知り尽くされている方と言えます。

巷の受験者の中で常識だと思いこまれている内容について、明確にYes/Noを示してくれています。

特に、知識は十分だと自覚しているものの、論文形式の問題に伸び悩みを感じている方にとって、読むと何か突破口が見えてくるのではないかと思っています。

個人的に参考になったポイントは以下です。

  • 高度試験の難易度アンケートで、合格者とそれ以外とで乖離が発生する理由
  • 採点官が実は注目している、論文の好感度を上げた「犬の有無」の例とは
  • 書く文字数を多くしようとするほど合格率が下がっていきやすくなる論理的な理由

ITストラテジスト試験を独学で攻略するにあたっては、正確な情報と効果的な学習法が鍵となります。

そのためには適切な参考書の選択が不可欠であり、本記事で紹介されている書籍が皆さんの試験対策に対して少しでも参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

30代会社員。
理系大学を卒業して以降、新卒からIT業界を渡り歩いてきました。
転職経験は2回。
 ・中小SIerにてプログラマー
 ・BtoB向けサービス事業会社にて社内開発SE
 ・大手総合コンサル会社にてテクノロジーコンサルタント(見習い)
といったキャリアを歩んでいます。

人生100年時代に向け日々精進!
知らない道を歩いたり走ったりするのが好きで、フルマラソン完走するくらいにはジョギングを続けています。

興味のあるトピック
 ・資格勉強
  (主な取得資格)
  ・中小企業診断士
  ・JDLA認定 G検定・E資格
  ・情報処理技術者試験 応用情報処理技術者、ITストラテジスト他複数
 ・競技系プログラミング(Atcoder、kaggle等も含む)
 ・データサイエンス、AI関連の話題
 ・クイズ、謎解き系
 ・読書、映画
 ・ボードゲーム全般(将棋アマチュア2段程度。専ら”見る将”)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 有益な情報をありがとうございます。

    来年のITストラテジスト受験に向けて準備中です。

    IT系の勤務経験がないので、ネタ集め中です。ただ、ITストラテジストの役割が理解できていないので、その他の関係者との実施内容の違いを悩んでいました。

    そのため、紹介されている『PMO導入フレームワーク ~プロジェクトを成功に導く、人・組織・プロセス・ツール~』に関心を持ちました。

    確認ですが、PMO=ITストラテジストとの認識で宜しいでしょうか。

    宜しくお願いします。

    • アオスズさん

      コメントありがとうございます。本記事の内容に興味を持っていただいて幸いです。

      ご質問ですが、「ITストラテジストの役割は何か?」といった内容になるかと思います。
      ITストラテジストとはその名の通り、IT活用を前提とした戦略を立案し、それを実行するポジションになります。
      PMOはこのうちの実行の部分、経営戦略の視点からプロジェクトを完遂させるための手段の内容になります。
      よって、PMOをやっているからITストラテジスト、ということにはなりません。
      企業によっては、ITストラテジストと別に組織としてPMOの部隊が存在する場合もあります。

      詳しい定義は関連の参考書やIPAのサイト等から調べることができますので、ご参照いただければと思います。

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